東京都目黒区で両親に虐待されて死亡した船戸結愛ちゃん(5)がノートに記 した涙のSOS▼「ママもうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんから きょうよりかもっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるしてください おねがいします」の悲痛な訴えが読む者を打ちのめす▼続いて「ほんとうにもうおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけ あほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめるので もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします」と書かれてあった▼衰弱した体で覚えたてのひらがな一字一字をノートにつづった結愛ちゃん。はだしのまま真冬のベランダに放置され、寒かっただろう。痛かっただろう。5歳の女の子の小さな胸は、さぞ今にも張り裂けんばかりであっただろうとすべては想像するほかない▼だがどう想像してみてもなぜ救えなかったのか。持っていき場のない救いのなさが悲しみを一層募らせる。同じような社会の悲劇を繰り返さないために、私たちは命の尊さをしっかりと心と体で確認したい▼そして今はただ悠久の時間へ旅立った結愛ちゃんの冥福を祈るばかりである。(鬚川修)
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