石垣島地方は2月以降、降水量が少なく、飲料水として取水できる量が減少している。2月から5月28日までの降雨量は計486㍉で平年値の37%にとどまっており、石垣市水道部(前濵猛志部長)が各水源から取水する量も約15~20%減少。同部は「この少雨傾向が続くと、やむなく給水制限をしなければならなくなる」として節水を呼び掛けている。農作物への干ばつ被害も懸念されていることから、市農林水産部は30日、農業関係機関などで構成する対策会議を開く。
石垣島地方の降雨量は1月250㍉と平年値の191%と多かったが、2月以降各月の降雨量は43・5㍉、43・0㍉、67・5㍉、82・0㍉と平年値の30~40%台で推移。沖縄気象台が24日発表した沖縄地方の1カ月予報によると、降雨量は平年並みか平年より少ない確率がともに40%となっている。
市水道部の取水源は白水、於茂登、真栄里ダム、地下水。白水の河川水からは一日3532㌧と平年値の71・7%、於茂登水源は同3464㌧で同86・5%と低下している。
貯水率が90%台を保っている真栄里ダムからは一日6000㌧を取水しているが、同ダムと於茂登水源を加えた水道部の水利権は1万2200㌧。真栄里ダムは農業用水も提供する多目的ダムとなっていることから、水道部は「水道水専用ではないので取水量には限りがある」と高貯水率に安心しないよう呼び掛けている。
水道部は節水の方法として▽庭や道路への散水の回数を減らす▽お風呂はシャワーを使わず、おけなどにためて使用する▽トイレの受水タンクに、水を入れたペットボトルなどを入れて流す量を調整する▽すすぎ水を再利用するなど洗濯方法を工夫する▽自動車の洗車を極力控える—ことなどを紹介。今後、ホテルやガソリンスタンドなど大量に水を使用する施設と、送水している竹富島などに対して節水の協力を求めていく考え。
市内では2014年11月20~28日の間、午後11時から午前6時まで給水制限を行っている。
一方、石垣市干ばつ対策会議(会長・山田善博市農水部長)は、干ばつ被害に関する情報交換を行うほか、散水方法など対策を協議する。