9月2日告示、同9日投開票の石垣市議選(定数22)まで4カ月を切った。新人や元職ら10人前後が出馬の意向を固めたか意欲を示すなど、顔ぶれが出そろいつつある。現職では、7期目の知念辰憲氏(63)=新川=がすでに勇退を決めているほか、8期目の公明・大石行英氏(67)=新栄町=も後任に託す意向を固めた。現段階では予定候補者数は30人前後とみられるが、現職の動きが本格化する市議会6月定例会以降、確定していく見通しだ。
現議会勢力は与党11人、野党11人で拮抗しているが、議長を出している与党が少数。今市議選は、中山義隆市長が市政運営の安定に必要な過半数を確保できるかどうかが最大の焦点となる。
選挙では、防衛省が平得大俣地区で予定する陸上自衛隊配備計画の是非が問われることに。配備先候補地約46㌶のうち23・1㌶を市有地が占めており、5000平方㍍以上の市有地処分には議会の承認を得る必要があるため、与野党の勢力が配備計画の行方を大きく左右することになる。
現段階では、与党系から会社役員の砂川佳之氏(51)=美崎町=、元職の上門孝子氏(67)=大浜=、会社員の男性(40)=新川=が出馬の準備を進めている。自営業の伊良部和摩氏(44)=宮良=の名前も挙がっている。
公明は10日、大石氏の後任として会社員の石垣達也氏(51)=石垣=を内定した。
市長周辺は「議会で過半数をとるためには13人以上の議員を確保しなければならない。市長選で保守が分裂したので、市議選では保守でも誰が市長を支持しているか明確にしたい」と話す。
一方、野党では革新系から元週刊誌記者の内原英聡氏(34)=石垣=、元職の前津究氏(46)=大川=の出馬が有力視されている。関係者によると、ほかに出馬を模索している人物もいる。
市長選出馬に伴う宮良操氏の辞職で、革新市議が空白となっている白保地域では「自衛隊問題で重要な時期になるので必ず出さなければならない」との声が高まっており、今後、擁立作業が具体化する見通し。
保守系野党では会社代表の黒島孫昇氏(64)=真栄里=が出馬の意向だ。前県議の砂川利勝氏(54)=桃里=の名前も浮上しているが、11月の県議補選への出馬を求める声もあることから、両にらみの対応となりそう。
中立系として会社代表の後上里厚司氏(52)=大川=も出馬を予定している。
■8期32年の支持に感謝
大石行英氏は13日、八重山毎日新聞の取材に対し今期限りで勇退の意向を明らかにし、「8期32年間、支持者をはじめ市民の真心をいただき、心から感謝したい。次なる候補者もみつかったので全力で応援したい」と述べた。