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観光公認事業を開始へ 久宇良公民館が取り組み

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ヤギ用の牧草地で流れ星の丘実行委員会が実施している星空ツアー=2017年8月26日夜、久宇良地区(同実行委提供)

 星空ガイドやサバニツアーなど地域内で行われる観光事業に対し、自治組織が公認事業として認定する取り組みが久宇良公民館(吉田友厚館長)で始まる。認定事業者は公民館費相当の公認料を収めることになる。将来的には売り上げの一定割合を収める仕組みを目指す。公民館にとっては公認料で地域活動や福利厚生を充実させることができ、事業者にとっては地域に認められたツアーとして事業を展開するなど競合他社との差別化を図ることができる、というメリットを生み出したい考え。久宇良は13世帯22人の集落。人口減少に悩む過疎地域の先進的な事例となるか注目されそうだ。

 同公民館は13日、展望デッキ「深呼吸」を営む「とー家ファーム司」(多宇司代表)、星空ツアーを行っている流れ星の丘実行委員会(新垣信成委員長)、サバニの造船とツアーを実施する「吉田サバニ造船」(吉田友厚代表)を認定する。いずれも久宇良地域内で事業を展開している。

 公認事業は、父親が久宇良出身の新垣委員長の発案。親類宅を利用して民泊も営む。星空ツアーでも親類から借用したヤギ用の草地を活用、刈り取ったスペースで実施している。

 新垣委員長は「農地の機能を果たしつつ、農業と観光の両面を実現できるところがおもしろい。公認事業になれば付加価値もつく」と話し、公民館も農業と観光を通して地域の結びつきが強まることを期待する。

 一方、今回の公認事業の背景には、星の見える場所ならどこでも実施可能な星空ツアーの乱立に対する懸念もある。地域内の住環境や自然環境の悪化を招くおそれがあるため、公民館は「公認事業は抑止力として作用することも期待する」としている。

 新垣委員長は「将来的には公民館が稼ぐ側になってもらいたい。今回の事業はその第一歩」と見据える。家族で久宇良に越して14年目、サバニ造船所を開設して2年目の吉田館長(43)は「私も地域の後押しを受けてきたので恩返しができればと思う。将来的には公民館運営のツアーにし、事業者の収益の何%かが落ちる仕組みにしたい。地域にお金が落ちる流れをつくり、みんなが楽しく活動ができる村になってもらえればうれしい」と話している。


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