日本ほど自国が世界からどう見られ評価されているか、そればかり気にする国はないように思う。テレビでは「世界が驚くニッポン!」など日本文化を称賛し海外の評価を強調する番組が増殖している。出版界もしかり▼国際社会の見方と日本が描く自画像のずれ。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ははるか遠く、もはや大国でも何でもない。「メイド・イン・ジャパン」の金看板を支えた名門企業は軒並み不祥事が続く▼「政・官」もしかり。お友だち優先に公文書改ざん、隠ぺい。セクハラ。これらの所業をただすべき政治は機能不全。日々の現実を世界に見られているのに「過去の栄光」にしがみついて離さない▼古来、陸続きで国境を接することのない島国ゆえか。自信喪失の一方で自意識過剰、等身大の自分を直視できない。これが日本のリアル▼石垣市はどうだろう。本年度施政方針も「人気上昇中の観光都市世界ランキング1位」と自賛している。確かに観光客はにぎわいをみせているが、ほかにやるべきことがあるのでは▼目をこらして現実を直視したらいかが。市町村別平均寿命で石垣市の女性は県内最下位、男性も下から2番目。働き盛り世代の早死にや自死が背景にある。これが石垣市のリアル。外の評価より、市民の生命と健康あってこそ。(慶田盛伸)
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