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【速報】西表世界遺産登録延期へ IUCNが勧告

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島全体の9割が原生林に覆われるなど「最後の秘境」とも評される西表島。世界自然遺産への登録可否を調査する国際自然保護連合(IUCN)が、奄美大島と徳之島、沖縄島北部を含む候補地の「登録延期」を勧告。今年の遺産登録は見送られる可能性が濃厚となった(カンピレーの滝で2017年11月30日撮影)

 環境省は4日未明、世界自然遺産に推薦している鹿児島県と沖縄県の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が評価基準に合致しないとして「登録延期」を勧告したと発表した。「登録延期」は登録の可能性は認めつつも、推薦書の抜本的な見直しと、再提出を求めるもの。再提出後に再びIUCNの現地調査などが必要になり、登録までに今後2~3年かかる。最終的には6月24日から開かれる世界遺産委員会で正式に決まる。今夏、期待されていた八重山初の世界遺産登録地の誕生は厳しい見通しとなった。
 政府は2017年2月に西表島などの4島を、①地史を反映した独自の生物進化が見られる「生態系」②国際的にも希少な固有種が多い「生物多様性」—を守るべき最重要地域として、世界自然遺産に推薦。
 同10月にIUCNが現地調査していたが、「登録延期」の理由として、大陸島の進化過程の顕著な例を4島に認めつつ、分断されている地域では生態系の持続可能性に重大な懸念があるとした。さらに沖縄島北部の北部訓練場返還地を編入するなど、見直しの必要性を示した。
 このほか、IUCNは▽主要な観光地域での適切な観光管理メカニズムや観光管理施設など、観光開発・訪問者管理計画の実施▽絶滅危惧種の状態や動向、人為的影響、気候変動の影響に焦点を当てた総合的モニタリングシステムの完成|も求めている。
 環境省は今後、IUCNの評価結果を詳細に分析し、関係機関や地元とともに指摘事項への対応を検討する考え。
 遺産登録は6月24日~7月4日にバーレーンで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式決定されるが、今回、IUCNが「登録延期」を勧告したことで、今年の登録は見送られる可能性が極めて高くなった。
 西表島の登録推薦地は島の中心部を占める1万8835㌶。4島全体では3万7946㌶となっている。

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