石垣—波照間、石垣—多良間の路線就航を計画していた第一航空㈱(本社・大阪府)が6月末で沖縄事業本部を閉鎖し、波照間空港への路線就航が難しくなったことを受け、竹富町は▽別の航空会社の参入による路線再開▽第一航空の航空機を活用した運航の実現—を検討している。県は第一航空に対して、同社が所有する航空機2機のリース案を提示しているが、同社の代わりに運航を行う航空会社については見通しが立っていない。
同社は、波照間路線を2015年12月に就航させる予定で運航時間や運賃も設定するなど計画を進めていたが、同年8月に粟国空港での着陸失敗事故を受け、路線再開は頓挫した。
冬場の海洋悪条件下で、傷病者や妊婦など船舶での移動が厳しい島民にとって、空路は生活航路として重要となっている。
波照間島の人口は年々、微減の傾向にあることから、町は日本最南端の有人島として住民が定住できる環境の必要性を県や国に訴えており、西大舛髙旬町長は先月22日にも、福井照沖縄北方担当相に航空路線の再開を要請していた。
所管する政策推進課の通事太一郎課長は「粟国路線が運休しても、波照間路線再開の可能性を期待していただけに残念」と話した。
町は、同社以外の航空会社が定期路線を就航しやすい環境を整備するため、波照間空港の滑走路800㍍を1200から1500㍍に延長することも検討。数社に就航を持ちかけているが、返答はないという。
県は、離島航路確保のため、国や県が補助金を出して導入した同社所有の航空機2機を、譲渡やリースなどで就航できる方策を模索している。
同事業本部の閉鎖について、同社の担当者は、本年度の赤字見込み額の補助が認められなかったためと説明。県が一つの案として示したリースについて「受けてくれる会社があれば、航空機と従業員を貸し出せる準備は整えている」と話している。