石垣市健康福祉センターは、28日から始まるゴールデンウイーク(GW)期間中に、沖縄県内で流行している「麻疹(はしか)ウイルスの感染者が拡大する恐れがある」と警鐘を鳴らしている。同センターはワクチン未接種の市民が、GWに本島で麻疹ウイルスに感染後、島に戻り発症する事態を防ごうと渡航前に、はしかワクチンの接種を呼び掛けている。県は21日時点で、県内のはしか患者数を70人と発表。市内では3月下旬、40代の女性患者が確認されたが、それ以降、患者は確認されていない。女性は回復している。
同センターによると24日時点で、市内においてMR(はしか・風疹)ワクチン第1期(1~2歳未満)定期予防接種を受けていない2歳以上の未就学児は、対象者3196人のうち469人(14・6%)。市は特例措置として、ことし6月30日まで生後6カ月以上~1歳未満の乳児、第1期でMRワクチンの予防接種を受けていない2歳以上の未就学児に対し、無料で予防接種を実施している。
また、沖縄本島では20代15人、30代22人、40代10人と20~40代に患者が集中。同センターは予防接種歴を確認し、一度も打っていない市民に対してワクチン接種を促している。費用は自己負担でMRワクチン約1万円、はしかワクチン(単体)が約5000円。
ウイルスの潜伏期間は約10日間とされており、同センターの識名友花さんはGWに感染が拡大した場合「5月中旬から下旬にかけて患者が増えるかもしれない」と懸念。感染の疑いがある人は院内感染を防ぐため、医療機関を受診する前に必ず電話で症状の報告をするよう求めている。
県内でのはしかは、先月17日に台湾から観光で訪れた30代の台湾人男性から4年ぶりに確認された。石垣市ではこれまでに7人が感染の疑いで報告されているが、7人とも検査で感染は確認されていない。
ワクチンの予防接種(2歳以上から実施)は、次の医療機関へ電話予約が必要となる。
▽上原内科医院▽大浜診療所▽仲間内科クリニック▽よしもとこどもクリニック▽よなは医院▽県立八重山病院▽石垣島徳洲会病院。