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「住民無視した原案」 景観地区公聴会

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市風景計画・都市計画景観地区の変更原案の公聴会には多くの市民が集まり、公述人12人が賛否意見を述べた=20日午後、市役所会議室

 石垣市風景計画・都市計画景観地区(川平・観音堂)の変更原案に関する公聴会が20日、市役所会議室であり、公述人12人が意見を述べた。川平、観音堂両地区から公述した住民計4人は「住民を無視した原案だ」と作成過程を厳しく批判、「原案だと高さ制限がなくなり、景観は守れない」と撤回を強く求めた。残る8人は、市が変更の理由とする「国際観光都市の確立」「防災」に賛同、「有効な土地利用で地域経済の活性化を」と訴えた。市は公述人の意見をまとめ、都市計画審議会に報告する。

 公聴会では、島全域を対象に景観形成基準内に誘導する風景計画に対して6人、法的拘束力を伴う景観地区2カ所に対してそれぞれ10人が意見を述べた。

 風景計画については6人全員が「東日本大震災で津波の恐ろしさを目の当たりにした。明和大津波(級の地震)がいつ起きてもおかしくない。海抜が低いところは緊急避難場所として高層の建物が必要だ」「石垣市は県内で唯一観光立市を行っている。リーディング産業をさらに発展させるためには受け入れ態勢の充実が必要だ」「土地の有効利用は住宅建設、アパート建築、ホテル建設など地域活性化にもつながる」と原案を支持した。

 川平景観地区については高嶺善伸公民館長が、ぶざま岳から撮影した川平湾の写真を紹介しながら「この眺望が見納めになるかもしれない。原案は、川平の景観を破壊する危険性をはらんでいる。30㍍近い建物が建つことが石垣島らしさを残すことになるのか、観光客が望んでいることなのか。子や孫の将来に責任を果たす必要がある」と訴えた。

 前館長の糸数靜雄氏も「公民館が市長、議長に現行維持を要請してきたが、地元の意見はまったく反映されなかった。市民の切実な声に耳を傾けない行政には疑問。事業者の意見を優先しているとしか思えない」と批判、川平の地形から防災上の理由にも疑問を呈した。

 観音堂地区の住民2人は「景観を守っているのは住民だ。住民の意見も聞かずに作成した原案は、あまりにもバカにしている。観光客は自然景観が違うから石垣島に来ている。大切なものを残してもらいたい。原案は、防災に名を借りたリゾート開発のためと考えざるを得ない。特定業者のための変更は言語道断」「一部の業界の日本一幸せあふれる石垣市ではなく、市民一人一人が感じることのできる日本一幸せあふれるまちをつくってもらいたい」などと述べた。

 公述人は奥田成彦(真栄里)、川原千博(新川)、田中克典(登野城)、三木誠(同)、山田義盛(石垣)、米盛博明(真栄里)、宮良信有(新川)、新城純(大浜)、高嶺善伸(川平)、糸数靜雄(同)、小沢正(観音堂地区)、内海良彦(同)。


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