石垣島トライアスロン大会2018(同実行委員会主催)は15日午前、大雨や強風などの悪天候のため、スイム、バイク、ランの全競技を取りやめ、大会中止となった。大会の全面中止は、コースを見直し、再開した15年以降で初めて。大会にはエイジ部門に955人、リレー部門に67組201人、総数1156人がエントリーしていた。
石垣島地方は14日夕に波浪、雷注意報、15日も午前4時29分から強風注意報が発表され、最大風速は午前6時10分に16・2㍍、雨量は午前11時半までに36・5㍉の激しい雨となった。
大会事務局は、海上の風が救助活動に支障を来すと判断し、午前7時にスイムの中止を決定。2種目のデュアスロン(バイク、ラン)に変更しての開催を検討したが、バイクコース上が雨水による冠水に加えて霧も発生。天候が回復する見通しが立たない上に参加者の低体温症につながる恐れから、午前7時30分、全競技中止の判断を下した。
大会中止のアナウンスを聞くと、出走準備を整えて雨の中でスタートを待っていた参加者たちは続々と会場の南ぬ浜町を後にした。
トライアスロン歴27年で、石垣島の大会に11年前から出場している須藤真司さん(56)=石垣市大浜=「全競技の中止は経験したことがない。これだけ雨が降ると道路が冠水するので、しょうがないけど時間とお金をかけて参加した県外の方は大変だと思う」と話した。
エイジ部門に出場するため来島した関口あゆこさん(43)=東京都=と黒羽美登里さん(55)=同=。ことしの初レースで楽しみにしていたという関口さんは「今大会に合わせて1月から調整してきた。残念だが荒天も含めてのトライアスロン。自然には逆らえない」。黒羽さんは「安全面を考慮して、運営側はよく決断したと思う。来年また参加したい」と次回大会の出場に気持ちを切り替えた。
親族を応援するために那覇市から娘と応援に駆け付けた大立みゆきさん(44)は、中止の知らせを聞き「えーっ、うそでしょ。とてもショック。雨対策で雨具も買いそろえたのに」と残念がった。
中山義隆石垣市長は「残念だが来年も開催するので、めげずに参加してほしい。中止となった場合でも参加者が楽しめるような対応は必要」と話した。
吉村安史八重山トライアスロン協会会長は「天候は致し方ないが、運営側の労力も倍になる」と惜しみつつ、「例えば、プロ野球の雨天試合では、選手がグラウンドでヘッドスライディングをして見せるように、中止となっても参加者を楽しませる工夫が必要。全国で情報交換したい」と提案した。