中山義隆市長の市・県民税に関する調査特別委員会(仲間均委員長、10人)は18日、初会合を開き、事実究明に乗り出す。株取引の損失に伴い、中山市長が2015年度分の所得割を納めたのか、あるいは全額控除されて還付を受けたのかが焦点。初回は、要求する資料の内容、専門家招致の必要性など審査方法を決めるとみられる。与党側は「払った」とする中山市長の正当性を明らかにし、再三にわたって一般質問などで取り上げている崎枝純夫氏の責任も追及する構え。崎枝氏ら野党側は自らの主張を資料などで裏付け、市長の倫理的・道義的責任を問う考えだ。
市・県民税には均等割(年額計5000円)と所得に応じて課税額が決まる所得割があり、中山市長の15年度分所得割は84万円余り。
中山市長は2014年の株式取引で損失を出したことが明らかになっているが、「マイナスの所得は記載する必要はない。それを見ようとするのはのぞき見趣味だ」として資産報告書などに損失額を記載していない。
ただ、株取引で、給与所得から天引きされた住民税に還付金が生じるだけの損失を出していることは明らかで、野党側は市長の給与所得から推測して5000万円以上と指摘している。
知念総務部長は昨年の9月定例会で「14年中の株式譲渡所得で差益にマイナスが生じたため、すでに源泉徴収されていた住民税に還付金が発生した。そこで翌年の15年度分の住民税を先に源泉徴収した住民税から控除、いわゆる先払いし、残額が市長に返還された」と答弁している。
中山市長によると、株取引の譲渡益については源泉徴収を選択しており、プラスが出た場合には1回ごとの取引で源泉徴収されるため、年間トータルで損失が出た場合でも先に徴収された分から所得割に充当されたという。
これに対し、野党側は地方税法や租税特別法などを根拠に「特定口座源泉徴収ありを選択した場合、特別徴収義務者は証券会社。証券会社は国税分を税務署に、地方税分を県税事務所に納付する。県税に納付された地方税5%にかかる配分については株式等譲渡所得割交付金として県内市町村に交付される。証券会社から石垣市に直接納付されることはない」と主張している。
仲間委員長は取材に「税法に絡むことなのでわれわれには分からないところががある。専門家を呼ぶ必要がある」と話している。