八重山署(小禄重信署長)は27日午後、振り込め詐欺など特殊詐欺の被害を未然に防ぐため、特殊詐欺犯行グループが実際に使用していた名簿リストを報道各社に公開した。
リストには住所、氏名、電話番号が記載され、健康食品購入者、パチンコ必勝攻略法会員、婚活アンケート回答者、呉服顧客、絵画購入者、投資系データ、訪問販売寝具契約者などジャンル別に分けられている。
リストの余白には「あまり話を聞かない。80歳代」「親切な対応80歳くらい」「独身、温厚な性格」「上品そう。ダイヤモンドだけ興味ある」「若い女性もいる。本人より娘の方がいい」などのメモ書きがあり、同署によると、犯人グループが電話をかけた際の日時に加え、相手の特徴を記載したもの。リストは「名簿屋」と呼ばれる組織から入手したものとみられている。
同署管内では2013年に2件の特殊詐欺被害が発生。被害額は総額で2295万円に上った。
内容は50代女性が数字選択式宝くじ「ロト6」の当選番号を教えると持ちかけられ795万円。70代女性が「投資金の被害回復ができる」とうその話を持ちかけられ、1500万円だまし取られた。
今年は50代女性がロト6の当選番号を教えると持ちかけられて250万円の被害に遭っている。また、宝くじの換金手数料と称して20万円を振り込んだり、偽の株取引事務手数料として10万円をだまし取られそうになったケースを銀行員の適切な判断で、被害を未然に防いだ事例もあった。
同署では「うまい話には危険が潜んでいると疑うこと。ギャンブル必勝法を教えるなどの話がきたら不審に思ってほしい」と注意を呼びかけている。