昨年他界された市役所OBの大先輩から「行政は文書に始まり、文書に終わる」と教わった。それほど文書主義は重要である。文書は正確、簡潔、平易に▼もっとも次に教えられた時には「文書」の2文字が「予算」に変わり、その次には「人事」となっていた。いずれも行政マンには必須の教え▼景観地区変更原案を読んだ。正直言ってよくわからない。風景計画では新たに「眺望保全地区」の概念を設定し、玉取崎と平久保半島を「眺望保全地区」に選んだが、なぜか国指定名勝「川平湾及び於茂登岳」は保全の対象外▼ビギンの発案で市がコラボした「島人ぬ宝探しプロジェクト」の「川平湾絶景テラス」の眺望は素晴らしい。川平湾を中心とするパノラマの絶景、川平集落の向こうに高い建築物が建てば、島人の宝がまたひとつ消えかねない▼川平景観地区の計画変更の理由書からは、何の理由も読みとることができない。「本地区に求められる入域観光客の受け入れ態勢のさらなる充実のため」とは何か。なぜ川平集落近接地に受け入れ態勢充実を求め、それが国際観光都市となるのか▼さらに「津波対策のために建築物の高さのかさ上げを求める声もあります」とは、いったい誰の声だろう。地域住民か、事業者か。その経緯や背景を明らかにした文書を読みたい。(慶田盛伸)
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