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鳩間島留学支援施設「つばさ寮」落成・開寮

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開寮した鳩間島留学支援多目的施設「つばさ寮」。同寮の完成により、鳩間小中学校の存続に向けた受け入れ態勢が整った=7日午後、鳩間島

 【鳩間島】竹富町が本年度スタートさせた鳩間島留学制度に伴い、鳩間島留学支援多目的施設「つばさ寮」の落成・開寮式(竹富町教育委員会主催)が7日午後、同所で行われた。施設の完成により、島の長年の課題となっていた学校存続に向けた児童生徒数の安定確保の受け入れ態勢が整った。同日から福岡や広島、埼玉出身の男子児童生徒3人が「留学生」として1年間の共同生活を開始、9日の始業式から鳩間小中学校に通学する。

 つばさ寮は、鉄筋コンクリート造りの平屋建てで、建築面積は223・29平方㍍。小中学生別の2人1部屋で6畳の和室が計4部屋あり、定員8人となっている。国の沖縄離島活性化推進事業を活用し、総事業費は9670万円。

 寮名は、鳩間島の「羽を休め、力をつけて飛び立っていく浮巣」のイメージから、施設を拠点に大きな翼で羽ばたいてほしいと願いを込めたもの。公募の中から鳩間中2年の五十棲まりさんの案を採用した。

 鳩間島は海上交通や産業基盤の未整備などを理由に過疎化が進み、1982(昭和57)年以降、学校存続の危機にさらされている。

 80年代から個人宅で島外の子どもを預かる里親制度や転入生の積極的な受け入れに取り組んできたが、里親の高齢化が進み、より多くの児童生徒の受け皿となる施設整備が求められていた。

 鳩間小中学校の2017年度の児童生徒数は5人。本年度は留学生の新小学4年生2人と新中学3年生1人が加わり、子どもたち8人での学校生活が始まる。

 開寮式には、教育行政、学校関係者や地元住民ら約50人が出席した。仲田森和教育長が「今回を機に、児童生徒の安定確保と島の活性化が図られるものと確信している」と西大舛髙旬町長のあいさつを代読した。

 鳩間公民館の通事建次館長は「ようやく施設が出来上がり、感無量。皆さんには一期生として、楽しく寮生活と学校生活を送ってほしい」と激励。

 式後には、鳩間公民館で祝賀会と新職員・新入生歓迎会が開かれ、大田綾子前教育長が同校を題材とした書籍「子乞い」の筆者・森口豁氏の祝電を報告した。

 福岡市からの留学を決めた島田有吾君(9)は「寮がきれいで、楽しそう。これまであまり自然に触れたことはないから、海を泳いだり広い場所で思いっきり遊びたい」と新しい生活に期待を寄せた。

 昨年4月に母親とふたりで鳩間島に移住した松田梨李さん(10)=福岡県北九州市出身=は「友達が増えるので、うれしい。中森の灯台を案内してあげたい」と歓迎した。


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