設立から43年の歴史を誇る石垣市商工会(我喜屋隆会長)の第6代事務局長に1日付で髙屋恵子さん(58)=平得=が女性で初めて就任した。商工会に所属する経営指導員の育成や、会員事業者へ高度な経営指導などを行う県商工会連合会認定の専門経営指導員「スーパーバイザー」の経歴を持つ髙屋事務局長は「市商工会が築いてきた会員サービスをモットーに、女性目線で巡回指導事業を職員全員で積極的に取り組む」と決意を述べた。
宮良出身の髙屋さんは1990年8月に周囲の勧めで市商工会入り。当時は経営指導員を補佐する記帳指導員、96年に経営指導員を経て09年に宜野湾市商工会に出向。1年後に戻り、16年には市出身者と女性で初めてスーパーバイザーに登用された。
実績が評価されて現場統括を担う事務局長に就任。「職員をまとめられるか不安だったが、経営指導員の育成と会員の顔が見える商工会づくりに向けて経験を生かしたい」と意気込む。
自身が市商工会で培った経験の一つには、05年に商工会主導で起業希望者が空き店舗を実験的に活用して小規模店舗を展開する取り組みを挙げる。企画から企業者研修など、全ての業務に奔走して飲食や雑貨、洋裁などの6店舗を開店。「体調は崩したが、1年間休まずにやりきれたことが大きな糧」と振り返る。
家族は夫と息子3人、孫5人にも囲まれ、多忙な業務から離れる休日は「バンナ公園に孫と弁当を持って繰り出すこと」と祖母の顔をのぞかせる。
「ここまで来られたのは家族の支援のおかげ。今後は会員を巡回して経営に関する助言を強化、多種多様なサービスを全員で提供したい」と展望した。