石垣市の北部と竹富町の西表石垣国立公園内が国際ダークスカイ協会(IDA)から国内で初めて「星空保護区」の認定を受けた▼竹富町内の対象区域内のすべての外灯がIDAの基準を満たしていないことから「暫定認定」だが、今後、町は2023年度までに屋外照明を光害対策型に改修する計画という▼星空は、島に住む人々にとって、白い砂浜と同様にごく自然なこと。その価値についてあまり意識したことはないだろう。だが、都会に行き夜空を眺めると、その違いが実感できる▼石垣島で生まれ育った筆者が星空を意識したのは、20年ほど前に波照間島で開かれたサザンクロス交流フェスタの取材時。同島の星空観測タワー前の広場で行われたレーザーショーやステージイベントなどの終了後、消灯すると、真っ暗な闇の中に満天の星が浮かび上がり、それを広場に寝転びながら眺めた記憶がよみがえる▼星空保護区に認定されたことで、星空ツーリズムの進展が期待される。ツアー客を案内する星空ガイドも徐々に増加。星空観光需要への受け皿整備も進んでいる▼保護区の維持、活用には今の星空を残す環境整備が不可欠。光害の発生を抑えた照明の設置や、むだな明かりを消すなど、星空がよりきれいに見える官民挙げた取り組みが必要だろう。(下野宏一)
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