国際ダークスカイ協会(IDA、米国アリゾナ州)は2日、石垣島北部と竹富町の西表石垣国立公園内を日本で初めて星空保護区に認定したことを石垣市と竹富町に伝えた。カテゴリーは同公園区域内などが対象の「ダークスカイ・パーク」で、世界で59番目、五つあるカテゴリー全体で96番目の認定。ただ、町内にある600基余りの外灯の一部がIDA認定基準を満たしていないことから、段階的な外灯基準を満たすことを条件に「暫定認定」となった。国際的なブランドの認定に観光業界は「世界に誇る星空がここにある。星空の島をアピールできる」と沸いた。
星空保護区はIDAが2001年に始めた制度。ダークスカイ・パークは国立公園区域内などが対象で、光害の防止や自然保護のために良質な屋外照明が使用され、非常に暗い夜空の環境と美しい星空が保たれていることなどが認定条件。
西表石垣国立公園を抱える市と町は、17年7月24日に公園区域内の石垣島北部と町内全域を保護区認定に向けて国内で初申請。16年5月には、認定制度の統括責任者ジョン・バレンタインプログラムマネジャーが初めて視察し、「完璧な夜空」と話していた。
IDA本部は(現地時間)3月30日にダークスカイ・パークを認定後、2日午前、IDA東京支部(越智信彰支部長)を通じて市と町に報告。両市町は3日午後、市役所で認定の記者会見を行う。
市から委託を受けて申請に必要な夜空の暗さや外灯の設置状況などの調査を行っていた星空ツーリズム㈱(石垣市、上野貴弘代表)によると、暫定認定は町内の一部の外灯がIDA基準となる水平方向から5%上側に向き、光が上空に漏れている状態。認定は基準を満たした外灯の数が全体の3分の2以上で、町は2023年度までに全ての屋外照明を光害対策型に改修することを申請していた。
IDA東京支部会員も務める上野代表は「町が予想以上に早く外灯の改善計画を示した。懸念は市内の明かりが拡大するほか、大型ホテル建設計画で光害が増えること。暗い夜空を保護してほしい」と願った。
市観光文化課の仲大底まゆみ課長は「本年度から夜空と星空を守る機運を高めるイベントや光害に関する条例策定に着手する。住民の理解を得ながら、星が見える環境保全を考えたい」と期待した。