県営新川団地建替工事の第1期工事で、県はことし7月に新2号棟(80戸)の入居開始を予定していることが分かった。解体前の2、5、6号棟に住んでいた約60世帯を優先させる。当初はことし3月末の完成を計画していたが、作業員不足などの理由から6月末に延長。建物の躯体工事を終え、現在は内装の仕上げの段階に入っており、新川・真喜良の住環境を向上させる新たな公営住宅の1棟が近くお目見えする。
新2号棟は、同団地5棟のうちの2号棟部分。鉄筋コンクリート造りで5~9階建て。部屋は、車いす対応住戸を含む2DK~3LDKの6種類80戸。
同団地は1979年に完成、築39年が経過。老朽化やバリアフリーの未整備に伴う住機能の低下が進み、居住水準・住環境の向上が課題となっていた。さらに、津波避難ビルや避難路の整備が十分でない新川真喜良地域の防災機能の向上も求められていた。
このため県は、地域居住機能再生推進事業の一環として県営新川団地、真喜良団地、真喜良第二団地の集約移転を計画。棟を高層化して戸数を集約するとともに津波避難ビルの機能を確保する。集約化で生まれる余剰地に幼稚園、児童館、児童クラブ、消防出張所、公園などの公共施設を整備し、地域の活性化にもつなげる考えだ。
計画では県営新川・真喜良・真喜良第二、市営新川の計31棟(498戸)を7棟(536戸)に集約。総事業費は県営で約99億円で、市営で概算約13億円。
事業期間は2015~25年度の10年間を予定しているが、第1期工事は建築の入札不落で着工が予定より遅れたため、ずれ込むことも予想される。
県によると、新2号棟には60世帯のほか、第2工事対象の住居棟の住民を一部仮移転させ、18年度中に現1、3、4号棟を解体、着工に向けた準備を進めていく。
舟蔵公園東の真喜良団地は、住民移転後に解体され、跡地は民間活用地として位置付けられている。