八重山農林高校南、県農村青少年センター跡地の市有地で計画されている福祉避難所兼ふれあい施設整備事業をめぐり、石垣市は、実施設計業務が完了していないにもかかわらず一括交付金約1200万円を申請、交付を受け、請負設計業者に支払っていたことが19日までに分かった。設計業務完了に必要な、建築基準法に基づく建築確認は19日現在も下りておらず、約2年間にわたって未完了の状態が続いていることも判明。担当の福祉総務課は八重山毎日新聞社の取材に「不適切な手続きがあった」と認めた。
実施設計業務は2015年度事業で実施、契約金額の支払いを済ませた。しかし、崎枝純夫市議が議会を通して入手した資料によると、建築確認申請書は17年9月1日に提出され、同年10月13日に受け付けが行われていることが分かった。同課によると、審査はまだ終わっておらず、「3月中には下りる」としている。
建築確認がないまま交付金を申請、交付を受けたことについて同課は「県の建物(県農村青少年センター)があったので建築確認がとれないと勘違いしていた」と説明。確認申請が大幅に遅れたことには「県施設の解体、駐車場など調整することがあった」と説明している。
同事業費は17年度予算に3億859万円が計上されていたが、県との調整や駐車場の確保などに時間を要したとして3月補正で減額され、18年度予算案に5億9000万円余が計上されている。8割補助の一括交付金の特別枠が使えなくなったことから、一括交付金はわずか2800万円。残りは、元利償還金の80%が交付税算入される辺地債で充当する予定。