悩みを抱える人に気付き、声かけや話を聞くなど適切な支援を行う「ゲートキーパー」を拡大しようと石垣市主催の市民向け養成講座が18日午前、石垣市健康福祉センター視聴覚室で開かれ、琉球大学大学院医学研究科助教授の甲田宗良氏が「命の門番」が担う役割を紹介した。約50人が参加した。
甲田氏によると、石垣市の自殺者数は2009年から16年までの8年間で97人。人口10万人当たりの自殺率は14年と15年が22・5、16年が24・4で上昇傾向にあり、県全体を3・2~7ポイント上回っている。
直近の16年(12人)では、働き盛りの40代が6人と最多。20代と50代がそれぞれ2人と続いた。職業別では被雇用者8人、自営業と無職がともに2人。手段別では首つり9人、練炭などが2人だった。動機別では不詳7人、健康問題3人、男女問題2人と続き、自殺の明確な原因が分かりづらい状況となっている。
自殺について、開かれた話し合いができる社会づくりを訴えている甲田氏は「ゲートキーパーが普及することで自殺を社会のこととして捉え、対策が初めて生まれる」と強調。
ゲートキーパーの役割について、相手への「気付き」から「ねぎらい」「見守り」、そして専門機関への「つなぎ」を挙げ、「困っている人に気付き、自分たちの役割を全うしながら地域で応援につなげれば自殺率は下げられる」と話した。