テレビを見ると国会前や首相官邸前で連日、「安倍辞めろ」「麻生辞めろ」と怒りの声が響いている。安倍政権の隠蔽（いんぺい）体質を露呈した今回の森友学園文書改ざん問題は、政権をどこまで追い詰めるか▼同問題は、学園の籠池理事長と首相夫人の昭恵さんの関係を見れば、そこに官僚の忖度（そんたく）があったことは誰もが感じたはず。ところが政府は首相の首がかかっているとあってあいまい答弁に終始▼それがうそとごまかしだったのを今回政府自らが認めたのだ。首相が激しく名指し批判してきた朝日新聞のしっぺ返しともいうべき報道が、政権を窮地に追い込むことになったのは何とも皮肉だ▼同様の加計学園問題や裁量労働制のずさんなデータ提示などは安倍一強のおごりを示すが、それは沖縄でも顕著であり差別的だ▼今回の公文書改ざんは、まさしく民主主義を根幹から否定する歴史的不祥事。欺かれた国民や国会は当然怒るべきだ▼ところが政府与党は、文書にも登場する昭恵夫人の証人喚問を死守し官僚に責任を押し付けようとしている。かつて首相は「安倍辞めろ」のヤジに、「こんな人たちに負けてはならない」と総理らしからぬ逆切れで大声を張り上げたが、そっくりお返ししてこんな人たちにいつまでも政権を任せたくない。（上地義男）
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