7年前の3月11日、日比谷での会合後、竹橋にある東京国立近代美術館で開催中の岡本太郎展の会場にいた。地震発生、大きな揺れに立っていられず壁にもたれた。天井がきしみ落ちてきそう▼調和を否定し芸術は爆発だと唱えた岡本太郎の作品との最期なら了と思った。と、まもなく近くにいた係員が出口が近いので皆さん外へ出ましょうと叫んだ。誘導された庭は無事を確かめ合う人の群れ▼会社と家に連絡しようと携帯電話を操作したが停電で不通。同じく停電で電車が止まりタクシー待ちも長蛇の列。確か宿泊ホテルは東京タワーの側、歩くことにした▼夕闇が迫り暗くなってきた。割れた窓ガラスが散乱している道路をいくつも渡った。やはり停電で明かりの少ない通りをどれくらい歩いたのだろう。たどり着いたホテルも停電でエレベーターが動かず部屋には非常階段で▼東日本大震災は現代社会が電気なくしては成り立たないことを証明したが、一方で津波による福島原発事故は、原爆同様の危険が隣り合わせであることを遠隔避難という形で知らしめた。加えて原発稼働がゼロでも国民の節電意識で電力不足を乗り越えられることも教えてくれた▼以来、元首相小泉純一郎氏は原発廃止を訴え続けているが政府は聞こえないふり。必要悪ですますのかな。(仲間清隆)
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