政府が沖縄本島にも新たに自衛隊のミサイル部隊配備を検討していることに、さすがに自衛隊容認の翁長知事も「米軍の負担軽減も進まない中で」と不満を示した▼安倍政権は就任以来6年連続で防衛費を増やし、米軍と自衛隊で沖縄の「軍事要塞(ようさい)化」を進める一方、米国から最新型の武器を次々買い付けて軍備増強し、「軍事大国」に突き進んでいる▼それが高高度の地上型ミサイル迎撃システム「サード」であり、ステルス型戦闘機F35、オスプレイ、最新型の大型無人偵察機や空中給油機。さらには自衛隊の「専守防衛」を形骸化する先制攻撃も可能な長距離巡航ミサイルなどだ▼しかもそれは国の借金が1086兆円に膨れ上がり、国民1人当たり858万円にもなるというのに、高齢者の生活保護費などもカットして軍事費は増え続けている▼時々各国の軍事パレードや合同訓練がテレビに出るが、そこで見る戦車や戦闘機、艦船、ミサイルなどは確かに頼もしくかっこ良く見える。しかし忘れてならないのはそれはあくまで町を廃虚にし、人々を悲劇に導く大量殺りくの戦争の武器や道具ということだ▼私たちは特に若い人たちは勇ましい言葉や歯切れの良い言葉あるいはかっこ良さに惑わされがちだが、軍隊の「本質」は見失うべきでない。(上地義男)
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