7日で開港から5年を迎えた南ぬ島石垣空港の国内と国際線を合わせた乗降客数が、2017年1月末現在(市空港課調べ)で1151万9344人に上った。新空港開港以来、首都圏を中心とした国内線の増便や国際線では新規航空会社の参入とチャーター便の就航が相次いだ。16年度の乗降客数は約243万人で、旧空港の運用最終年度にあたる12年度の約169万人に対し約1・4倍増だ。一方、拡大する路線需要に航空業界は「現空港の試算では143万8000人の送客が限界。エプロン拡張や搭乗橋(PBB)などの機能強化が送客増に必要」と改善を求めている。
石垣空港ターミナル㈱(社長・我喜屋隆市商工会会長)は、今後も増加が見込まれる観光客の需要に応えるため国内線と国際線を連結した新たなターミナルビルの供用開始を19年冬に見込んでいる。
なかでも乗降客数が急激に伸びている国際線ターミナルは▽中型機の就航▽国際線用のボーディングブリッジ設置▽国内線ターミナルビルとの一体化▽サービス向上に向けた店舗区画配置—などを増改築の基本方針に掲げ、インバウンド強化に乗り出している。
新空港の乗降客数は台風による外的要因が少ないことが後押しして欠航便が減少。観光客が年間100万人を超えた2014年の同年度から232万699人、228万8602人(15年度)、243万1365人(16年度)と右肩上がりに増加している。
2020年度までに八重山の年間観光客数は150万人を予測。ことしは141万人の入域客が予測され、乗降客数も大幅増加する見通しに大手航空会社の担当者は「今後は格安航空会社の新規参入も考えられるが、現空港の機能では就航は難しい。早期の拡張に航空各社は期待している」と話した。
先月末に開かれた市のインバウンド戦略会議で空港機能拡大に石垣空港ターミナルビルの担当者は「着陸料、施設使用料、ハンドリング料などの支援に加え、人材と事業者の育成を包括的に支援することが必要」とハードとソフト面の総合的な課題解消を提起した。