3月は卒業シーズン。そのトップを切り、1日、3高校で卒業式があり、生徒たちが3年間通った学び舎を後に、卒業する。卒業後は進学、就職で進路が分かれ、島を離れる人も多い。それぞれの進路で活躍を期待する▼小学校、中学校、高校と各課程を卒業するなかで、最も学校生活が充実し、仲間との濃密な時間を過したのが高校の3年間ではないか。それだけに一人一人に卒業式は特別な思いがあることだろう▼ことしの卒業式では話題も多い。八商工ではプロ野球西武ライオンズに入団した平良海馬君が卒業。プロ野球選手の一員として、厳しいプロの道で歩みを始める▼八重山高校では課題研究の音楽選択の3年生6人が中心となり、3年生全員から募った「八重高や石垣島といえば」のキーワードをつなぎ合わせ歌詞にした卒業記念ソング「八重高(ふるさと)」を制作、式当日に3年生が歌う。卒業ソングは数多くあるが、卒業生全員の思いが詰った曲は格別だろう▼「友と語ったあの場所」「共に泣き 共に笑った仲間と」「この島から大きな夢を きっと掴むから」…各フレーズに卒業生の思いがこもり「繋いでいこう 次の世代へ これからの未来へ」と結ぶ▼第70期卒業記念だが、八重高の卒業の歌としての新たな伝統の始まりかもしれない。(下野宏一)
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