革新系前市議の宮良操氏(61)=社民、社大、共産、自由推薦=、3期目を目指す中山義隆氏(50)=自民、公明、日本維新の会推薦=、前自民党県議の砂川利勝氏(54)が出馬を表明している石垣市長選(3月4日告示、同11日投開票)は告示まで一週間を切った。3氏は懇親会や集会を継続して政策の浸透を図る一方、後援会のメンバーが朝夕の街頭に立ち、広報車をくまなく走らせるなど、前哨戦が熱を帯びている。残る期間で支持固めと票の掘り起こしを徹底させ、告示翌日の5日から始まる期日前投票にフル回転で取り組む。
今選挙は現職に新人2人が挑む格好。2期8年の中山市政の評価が問われる。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題が最大の争点となった名護市長選同様、平得大俣への陸自配備計画という国策が絡む。宮良氏は「受け入れない」、中山氏は「理解を示す」、砂川氏は「合意できる場所で推進する」との立場。
また、砂川氏が設計の見直しを掲げたことで新庁舎のあり方も争点の一つに急浮上。中山氏は現設計の推進、宮良氏は精査の必要性を訴えている。
宮良氏は、革新政党や労組、平和団体などのほか、翁長雄志知事を推す「オール沖縄」の支援も受ける。従来の革新支持層のほか、市議補選予定候補者の花谷史郎氏(35)とのセット戦術と20代を中心とした取り組みで、無党派層が多いと言われる若者への支持拡大を図っている。保守の現職批判票の取り込みを狙っているが、砂川氏の出馬で読みづらくなっている。
中山氏は公明の推薦で勢いが出ている。今回はさらに日本維新の会の推薦も獲得、名護市長選を制した組織体制を構築し、組織力を生かした選挙戦を展開する見通し。福祉介護畑の米盛初恵氏(50)の市議補選出馬で、福祉関係票や女性票の掘り起こしも期待。22日の総決起大会では過去にない盛り上がりをみせたが、上滑りを懸念して引き締めに躍起となっている。
砂川氏は現職批判票に加え、陸自配備問題で平得大俣白紙を掲げたことで同地に反対する保守層の取り込みを狙う。農業関係票の切り崩しも図っている。自民党を除名されたことを受け、「市民党」を掲げた。政党の支援はなく、「庶民の力で新市長を」と草の根運動を徹底させている。市議補選の黒島孫昇氏(63)が長年携わった空手、観光の人脈にも期待する。