電話の向こうから「へばな」ときた。青森の知人に津軽弁では、さようならをどう言うのかを尋ねたら返ってきた言葉。じぁーねの感じで使っている。元気でね、また会おうねの意味合いだと思うとのこと▼先週の小欄でスマムニのさようならは、代用で恐縮だが「ぶりはい=失礼するね」でどうかと述べたが、それに対しては、早速、字石垣在の60代の男性から、うちの祖父母の世代は、「いきぃてぇくぅ=行って来い」と言い交わしていたことを覚えている。さようならとして使うにはこちらがいいのでは。この機会に多くの方に紹介してほしいとも▼これは中国語の再見、英語のsee youにも通じ滋味に富むいい語感のすまむにだ。「元気で行って無事帰っていらっしゃい」「お達者で、またお会いしましょう」などなどの意で私も愛用することにしたい▼ただ、津軽の友人が言うには、なんでいちいち現代語との対比を気遣わなくてはならないのかと▼友人は、都会暮らしで方言をしゃべって田舎者と笑われたことを経験した世代。田舎に帰り、方言暮らしに戻ったら、あいさつ語など言葉数が少なくても互いの立場を思いやり敬意を表すには、なにひとつ不自由、不足なしと意気軒高▼そうだよね。島でもスマムニでお互いの健康を願い、天気の話をして再会を期する。それで十分かも。(仲間清隆)
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