一月、沖縄本島北部の名護、本部は桜見物の人波と車両が引きも切れなかったようだ。寒緋桜を並木として大事に育ててきた地域の努力が実を結び、桜まつりとして定着、県内外からの客を呼び込んだ由▼東南植物園の創業者大林正宗さんの名言に「花木の名所づくりは早く植えた者勝ち」がある。しかしその言葉は、植栽後の徹底した管理計画あってのこと▼いい花木を選定しても植えつけるまでの事業では、役所の並木や防潮、防風林整備に似て管理不十分で枯らしたり、雑草の繁茂で成長が阻害されたり、中断ややり直しを繰り返すことに▼ただ最近、島でも官民が誠実に連携すれば、うまくいきそうな事例が生まれつつある。国道のヤラブ並木がそれで、ボランティアの適宜な新芽摘みと役所の積極的な下草管理のおかげで並木の成長とともに見通し景観が向上し路上のポイ捨ても減少中▼2月、宮良橋交差点畑沿いの寒緋桜十数本が咲き出した。しかし何と言っても寒緋桜は大川地域。古木も多い。大川中通り、万世館通り、4号線、産業通りに囲まれた住宅街は道も屋敷も昔の集落風情を残し花見散策に最適▼そこで同地区の理解を得て官民共同の寒緋桜の里を目指すのはどうか。苗の提供植樹は役所、管理はそれぞれのお宅で。見事に咲かせたら金一封で表彰。(仲間清隆)
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