去る14日、石垣市主催の「尖閣諸島開拓の日」式典が開かれた。その中で中山市長は国に領土・領海を守る一層の取り組みを求め、これに安倍首相もメッセージを寄せ、万全を期す意向を示した▼そこで改めて思い起こされるのが、昨年の尖閣国有化5年の本紙社説に対する八重山防衛協会事務局長で自民党市議の砥板芳行氏の反論だ▼社説は外交での平和解決を望み、尖閣を守りたいなら自衛隊は多くの市民が嫌がる石垣、宮古でなく尖閣に直接配備をと求めた。これに対し砥板氏は、それだと中国と戦争になりかねず、「これは自衛隊員の命を軽んじる主張だ」と言うのだ▼これには相当違和感を覚えた。それは砥板氏の政治勢力に直接配備の主張があり、同勢力が日本を「戦争できる国」に導いたからだ。現に砥板氏は「憲法違反の戦争法」と批判された安保関連法の早期成立を市議会で要請。安倍政権の軍拡路線を積極的に推進している▼自衛隊員はこれまで憲法9条の下、誰一人戦争の犠牲者はいない。それが今は安保法制により危険な戦場に出兵のリスクが高まっており、それこそ「常に自衛隊員の命を軽んじる」法律は即刻廃止すべきだ▼自衛隊が配備される地域は戦場になれば市民も自衛隊員も標的になる。人の命を軽んじる危険は全て排除すべきだ。(上地義男)
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