県平和祈念資料館の第18回特別企画展「戦世(いくさゆ)と沖縄(うちなー)芝居ー夢(いみ)に見る沖縄(うちなー) 元姿(むとぅしがた)やしがー」が20日、八重山平和祈念館で始まった。パネルや資料など約140点が展示され、たくましく生き続けてきた沖縄芝居を近代の歴史と照らし合わせながら紹介している。2月22日まで。
企画展は「沖縄芝居の夜明け」「沖縄芝居の受難」「戦世と沖縄芝居」「戦後の復活といま」の4部構成。企画展を担当する渡辺尚子主査は「沖縄芝居にとって息苦しい時代があったが、歌や踊り、芸能、言葉は強制されても変わらずに受け継がれる強さがあった。若い世代にも未来の子どもたちにも引き継いでもらいたい」と話している。
展示物には、戦後、石川収容所での沖縄芝居で使われた実物の舞台衣装も。マラリア治療薬のキニーネで黄色を着色し、ペンキなどで花模様をつけたもの。米軍の食糧袋を再利用したもので、英語のスタンプ文字も確認できる。
初日は開会式があり、比屋根勉分館長は「戦後、生きる希望と力を与えた沖縄芝居の歴史など、企画展を通してご覧になってほしい」とあいさつ。石垣安志石垣市教育長、佐久川勲八重山戦争マラリア遺族会長らとともにテープカットを行った。
八重山商工郷土芸能部のメンバーも訪れ、鳩間千佳大(ちかひろ)君(2年)は「芸能ができるのも平和があるから。芸能ができることをうれしく思う。平和を守ることが大事だと思った」と話した。