著しい老朽化や台風被害に伴って、新川の真乙姥嶽拝殿の建て替え事業を進める同期成会(入嵩西正治会長)は14日、新たな拝殿の基本設計と完成予想の模型を公表した。
同獄の持つ「求心力」をテーマに、拝殿前面に円環状のアマハジ(雨端)を設けるなど伝統とモダンが融合した、100年続く拝殿を目指す。事業総額は1000万円。同期成会は完成目標をことし12月としている。
新拝殿は、躯体部分をコンクリート造り、木造の小屋組みに沖縄伝統の赤瓦屋根を組み合わせる。それぞれ耐用年数は▽コンクリートは100年▽小屋組みは50~60年▽赤瓦屋根は30~40年ーで、古びた建築材は同獄の境内内で再活用できる仕組みも構築する。
建て替えによって、拝殿は同獄内のイビ(神域)側に90㌢ほど移動する予定。
設計を担当した建築アトリエ・トレッペン代表の照屋寛公氏(60)=新川出身、那覇市在住=は「字民にとって真乙姥獄は心のよりどころで、私にとっても思い出深い場所。真乙姥獄の神が民を守り愛護する考えから、拝殿前の人々を抱きかかえるイメージを建築的に具体化した」と話した。
同事業額は当初、500万円と想定されていたが、建築工事の単価高騰などで倍増した。
14日午後に開かれた新川字会(入嵩西純会長)の2018年度総会で発表され、入嵩西正治期成会会長は着工に向けて、「島内外、県内外の字出身者にも働き掛けをしている。拝殿の新築に向けて皆さんの(募金への)ご協力をお願いしたい」と述べた。