2005年と2006年元旦に、当時の大浜長照市長や市内の各団体で組織した新空港早期建設郡民の会のメンバー約50人が、予定地の白保カラ岳で「初日の出祈願」を行った新石垣空港は、5年前の13年に30年余の苦難を乗り越えて開港▼その結果は、観光客が開港前の二倍近い130万人余も訪れ、八重山経済は人手不足に陥るほどかつてない好景気に沸いている▼これに対し今年も同じく元旦に、名護市辺野古の浜で新年を祝う「初興し」をした新基地建設反対運動は、政府の理不尽な工事強行でむしろ苦難が増している▼それでも集まった約400人の市民は、にぎやかに歌三線や踊りで「勝つまで絶対諦めない。歌三線を響かせながら、したたかでしなやかにこの1年を闘い抜こう」と決意を新たにしたという▼沖縄は今、米軍ヘリのトラブル頻発で県民の命がまたも危険にさらされている。にもかかわらずテレビでみる防衛大臣は、無表情で何と冷たいことか▼そういう中今年は石垣も軍隊を置くかどうか、島の未来を左右する重要な選挙があるが、2月の名護市長選や11月の県知事選は沖縄の尊厳をかけた戦いだ▼石垣も自衛隊が来れば自衛隊にまつわる新たな犯罪や事故が当然予測される。今年の選挙は沖縄の基地負担のありようを問う選挙だ。(上地義男)
↧