竹富町は約半年後に迫った西表島の世界自然遺産登録に向けて、町内の観光ガイド事業者らに届け出を義務付ける「竹富町観光案内人条例(仮称)」の制定作業を進めている。政策推進課によると、西表島内の観光関連業者数は86業者。あくまで簡易調査に基づく数字として、条例制定での実態把握とともに自然環境の適正利用につなげたい考えだ。来年3月の制定を目指す。14日の12月定例竹富町議会(新博文議長)一般質問で三盛克美氏の質問に答え、通事太一郎政策推進課長が明らかにした。
三盛氏は「島内からはもっと厳しい許認可制度を求める声もある」と追及。
通事政策推進課長は「いわゆる許認可制度は、まだ先の段階だと思う」と今後の可能性を示しながらも、「まずは本町として事業者数を把握できる仕組みづくり。そして、事業者らの登録や認証を見越した上で、この届け出制度を検討している」と述べた。
また、県との共同事務局事業として、西表島の適正利用とエコツーリズム推進体制構築事業を3年計画で実施。島の各フィールドの利用ルールの設定、行政・事業所を含む組織体制の構築、エコツーリズム推進法を適応した利用コントロール制定などに取り組む。
観光行政をめぐり、三盛氏は自然災害発生時の避難施設の整備状況も質問。
同町内でも海抜の低さが懸念される竹富島と黒島、由布島を挙げ、町が策定した地域防災計画の中で避難場所が対岸の美原地区となっている由布島について「一日1000人近い観光客が訪れる。その全員が水牛車に乗れるのか」「水牛車が何分かかるか分かりますか」と皮肉った。
同計画では由布島から美原までの移動手段など明確な避難計画も定まっておらず、防災危機管理課の東金嶺肇課長は「具体的な対応ができてないのが現実」と答弁した。
東金嶺防災危機管理課長は避難タワー建設などを含めてコンサルと相談協議中とし、西大舛髙旬町長が「危機管理については20年前から訴えている。各地域ごとに避難場所を整備し、食料備蓄なども含めて早速取り組んでいきたい」と応じた。
14日は、三盛克美、渡久山康秀、上盛政秀、仲里俊一の4氏が登壇した。