文化庁メディア芸術祭石垣島展「ひかりきらめくイマジネーション」(文化庁主催、石垣市共催)が29日、石垣市民会館など6会場で始まった。12月17日までアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの芸術祭4部門の入賞作品など計50点が展示・上映される。展示時間は午後1時から同7時。土日は午前10時からで、すべて入場無料。
日本の近代建築の祖と言われる前川國男氏晩年の作品、石垣市民会館の新たな活用方法として、2階の「海の見えるホワイエ」をメーン会場にした。
芸術祭の第1回から第20回までのマンガ大賞作品の読書ゾーンが設けられているほか、人間と同等の大きさまで拡大された昆虫の写真が展示されている。羽の細部など肉眼では見えない部分もリアルに浮かび上がり、造形の美しさや多様性に触れることができる。石垣島展に合わせ、島に生息するカラアカナナホシキンの写真も用意された。
このほか、新栄公園ではこの日から2日間、日没時間の午後5時54分からアニメーション優秀作が上映される。30日は「この世界の片隅に」「ジョバンニの島」の2作。
まちなか交流館ゆんたく家では、短編優秀作品の上映と「百年海図巻」の展示、石垣港離島ターミナルではポケモンゴーの「ポケストップ」の展示がある。ホテルエメラルドアイル石垣島、伊原間の崎山ハウスも会場となっている。
12月10日午後1時と同4時の2回、第20回アニメーション部門大賞の「君の名は。」が、市民会館大ホールで上映される。
初日はメーン会場で関係者を集めてレセプションがあり、中山義隆市長は「近代的な最先端の文化・芸術に触れることで市民の文化的興味・関心を高め、文化的教養を深めるとともに、伝統芸能など独自の文化が世界に誇る宝物であることを認識し、後世へ継承していくことを考える機会にしたい」と述べた。
石垣島展の制作ディレクター、岡田智博氏は「新しい文化観光のきっかけにしてもらいたい」と期待した。