「子どもの貧困問題に石垣市の地域社会はどう取り組むか」をテーマにした沖縄子どもの未来県民会議地域円卓会議(主催・県、沖縄子どもの未来県民会議)が9日夜、石垣市健康福祉センターで開かれた。行政、地域、学識、メディアの関係者ら6人の発言者と来場者が、石垣市の課題を共有するとともに貧困解消に向けて議論した。
県民会議事務局長の喜舎場健太氏が市の現状を報告。保育園保育料が低く設定されている階層(生活保護世帯、市町村民税非課税世帯)の割合が35.58%(2013年10月)となっているのに対し、小学生で就学援助を受ける割合が17.46%(14年度)と半分以下に落ち込んでいると指摘、「もしかして就学援助が行き届いていない可能性もある」とした。県内平均に比べ、10代の出産が多く、離婚率も高いことも紹介した。
喜舎場氏は「経済的貧困だけでなく、子どもが困っていることも貧困ととらえてほしい」と助言。「さまざまな機会が奪われ、孤立している子どもたちに対し、身近な存在である地域社会に何ができるのだろう」と論点を提起した。
出席者からは就学援助制度について「本当に必要な人に情報が提供されているか」と制度の周知徹底を求める声が上がった。
このほか「離島ゆえに派遣費がかかる。アパート賃も他市に比べて高い」「学校、行政、地域、専門機関の連携が弱いのではないか。連携強化が必要だ」などの意見があった。