民意とは何か。国民の意思のことである。では、今衆院選でどのような民意が反映されたのだろうか。陸上自衛隊配備問題が争点となった石垣市の民意をみてみよう▼注目は、配備問題を争点と位置付け、反対・阻止を前面に打ち出した仲里利信氏の得票数。結果は9098票。前回から843票上積みした。訴えの内容から同氏の得票数は明らかに反対の意思の表れとみることができる▼では、西銘恒三郎氏の場合はどうか。陣営は政権選択選挙と位置付け、「実績と信頼の自公か、分裂・混乱の明日なき野党か」「八重山を発展させる1議席か、無言の1議席か」の選択を迫った▼自衛隊配備は政府の既定路線。候補者本人も「至極当然のこと」と言っている。あえて触れる必要はない。そっとしておこう。言及すると、否定的な意見も多いと言われる公明票が逃げていくおそれがある▼結果、9919票。前回から909票伸びた。西銘陣営が選挙戦で選択を迫った内容からすると、投票者は自公政権の継続を望み、実績のある西銘氏に託したとみるのが妥当▼この得票数を自衛隊配備容認・推進の民意とし、賛成が反対を上回ったと単純に解釈するには無理がある。「牽強付会」「我田引水」のそしりを免れない。公明支持者にも配慮が足りない。(比嘉盛友)
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