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世持井戸を文化財調査へ

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市の文化財指定に向け調査が決まった「世持井戸」(写真手前)を視察する市文化財審議委員ら=25日午後、石垣市大川

 石垣市文化財審議会(石垣博孝委員長、委員10人)は25日午後、石垣市教育委員会で本年度第2回審議会を開き、石垣市大川の私有地にある「世持井戸(ユムチィンガー)」を市の文化財指定に向け調査することを決めた。井戸の指定文化財は現在3カ所。世持井戸は明和の大津波以前に造られたとされ、指定されれば「掘り抜き井戸」としては初めてとなる。

 石垣市史によると世持井戸は、1757(乾隆22)年に登野城村から大川村が分村時、大川の与人(ゆんちゅ)になった松茂姓六世当儀が、世持に指示して掘削させたとの伝承がある。当儀によりつくられたゆかりの民謡「ユムチィンガー節」も謡い継がれ、現在は直径80㌢、高さ40㌢ほどの円柱形のコンクリートに覆われふたがされている。

 同日、委員らは井戸を視察し、かつて使用されていた形跡などを確認。委員からは「文化財指定に値する」との声も挙がった。

 このほか審議会では、旧大浜町浄水場跡の建議書の取り扱いに関する教育長からの通知が報告され、委員からは「教育委員は、文化財を大切にしようと考えているのか」「専門部会から出たものを(教育委員が)不採択にすることはできないと思っている」「きょうの議論を教育長へ報告し、まとめてもう一度報告してほしい」など、反発の意見が出た。

 また、指定文化財をめぐる周辺環境変化に伴う管理方針について、仲道の三番アコウや宮良浜川原のヤラブ並木を視察し意見を交わした。


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