八重山への国立自然史博物館の誘致に向けた推進委員会(委員長・中山義隆石垣市長)主催の第3回「八重山に国立自然史博物館をつくろう!」小中高校生研究発表会および講演会が21日午後、市健康福祉センター視聴覚室で開かれた。小中高生ら30人余がプレゼンテーションと展示の部に分かれ、八重山の自然生物環境のほかモデルロケットの打ち上げ実験など多彩なテーマの研究成果を披露した。
宇宙開発技術に関心を持つ石垣第二中の岡部壮良君(1年)はモデルロケットの概要から、重心位置を移動しての打ち上げ比較、風洞実験などの結果を報告。
岡部君は「風洞実験でロケットが風上に向かって飛ぶ性質がよく分かった。次回はロケットにカメラやセンターを装着し、高度測定の正確な数値を把握したい。これからも失敗しても諦めず、実験と考察を繰り返していきたい」と述べた。
崎枝中と石垣第二中の生徒10人でつくる八重山水環境調査プロジェクトチームは、名蔵川水系の水質と同流域に生息する生物調査の結果を発表し、「研究では島の固有種の水生昆虫も確認できた。島の自然と産業、暮らしが持続可能な関係になることを常に考えながら研究を進めていきたい」と話した。
講演会では特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会付属黒島研究所の若月元樹所長が同所の取り組みを紹介、琉球大学教育学部の福本晃造准教授が「いろんな原子と結合の性格」をテーマに研究の魅力を伝えた。
中山市長は冒頭、「八重山の将来を担う小中高生による研究成果を発表してもらうとともに、講演などを通して、さらに知見を広げる機会にしてほしい」と期待を寄せた。