15日から「第70回新聞週間」が始まっている。ことしの代表標語は「新聞で見分けるフェイク知るファクト」だ▼ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の発達でネット上では「フェイク(偽)」と「ファクト(真実)」の情報が飛びかっている。近年、フェイクの代表的なものが昨年の熊本地震で動物園からライオンが逃げた、とのデマだ▼街中を雄ライオンが悠々と歩く画像がネット上にアップされた。画像を合成した偽情報だ。これがSNSを通じて拡散、問題化した。最初にツイッターにアップした若者は逮捕された▼ネット上ではこのほかにも根拠のない情報やデマ、誹謗(ひぼう)中傷など、さまざまな情報が氾濫。情報を見る側に何が真実で、何がうそなのか、的確に判断する力が求められる▼と同時に読者に新聞を通して正しい情報を届けるため、新聞社には、無数の情報の中から必要な情報、真実を見極める確かな目と、それを正確で公正な報道につなげる取材力が必要だ▼新聞の使命は、読者の知りたいことを正しく、適切に伝えること。八重山毎日新聞社として郡内外の読者の「知る権利」に適切に応えられているのか、報道が一方通行となっていないか。公正に報じられているのか、新聞週間に当たり、いま一度、考えてみたい。(下野宏一)
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