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【那覇】新たに先島地区の海上家畜輸送を担う「かりゆし」(全長154・07㍍、9943㌧)が17日、石垣港から就航する。これまで就航していた家畜輸送船「にらいかない」(全長149・57㍍、総トン数5613㌧)の老朽化に伴う更新で県の一括交付金などを活用。総事業費2億4840万円をかけ、甲板に直接家畜を載せる従来の方式から屋根を設置し、ミストや換気機能を充実させ長時間におよぶ家畜輸送の環境改善を図っている。
同船は、「にらいかない」が老朽化により11月に退船となることを受け、JAおきなわと琉球海運㈱、セリ牛事故共助積立金運営委員会などでつくる家畜海上輸送協議会(会長・大城勉JAおきなわ理事長)が、琉球海運の既存の貨物船を家畜輸送に対応できるよう改造したもの。屋根を設置し直射日光を避けるとともに、気温の上昇を防ぐため通風機15機や開閉扉38カ所、ミスト(噴霧器)150器などを設置した。
家畜輸送は長時間になるため、2005年には牛と豚合わせて310頭が熱中症の疑いで大量死する事故も発生した。
八重山から出荷される牛は、本島を経由して鹿児島まで40時間以上船内に閉じ込められていたため、JAおきなわ畜産部では「甲板に家畜を載せていた従来の船に比べて子牛を安全に全国へ出荷できる環境を整えた」と自信をのぞかせる。
沖縄の子牛出荷頭数は鹿児島、宮崎、北海道に次ぐ全国4位。年間約2万頭の子牛が鹿児島を経由して全国へ運ばれる。そのうち、約1万2500頭は先島からの出荷。17日は、13日の八重山家畜セリ市場で競り落とされた子牛約800頭を載せ、鹿児島へ向け出発する。
JAおきなわの大城勉理事長は「牛を健康に運び、購買者が安心して購入できる環境が整った。畜産振興のさらなる発展を期待している」と話している。