台湾政府が毎年開いている台湾デザイン博は、今年は15日までの16日間、台南市で開かれた。デザイン性を重視した商品や造形などには意外性や親しみ、かわいらしさなどオリジナリティが光った▽ガイドブックにも登場するレストラン「阿霞」がケータリングセット、菓子店「舊振南」が外国人観光客を意識したパイナップルケーキをそれぞれ出展していたことも目を引いた。どちらも台南ではよく知られた老舗。その老店がデザイナーとのコラボで新商品を開発したのだ▽博覧会の担当者は「デザインを活用すると地元の有名店がこうなるということを台南の人たちに見てもらう機会」と話す。台南っ子ならだれでも知っている店がデザインと向き合う姿勢を示すことで、デザインに対する理解を促進しようというのだ▽同博覧会は八重山とも縁がある。南東部の台東市で開かれた2014年の博覧会では「石垣祭」と銘打ったイベントがあり、ライブや体験型のアクティビティが行われた。デザイン全体にまで視野を広げれば、台湾のゴールデンピン賞で八重山からも受賞が相次いでいる▽台湾政府にデザインの推進部門が発足したのは約40年前。同博覧会は今年で16回を数える。台湾デザインは八重山にもじわりとシナジー効果を与えているのかもしれない。(松田良孝)
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