竹富町役場2階に構える竹富町教育委員会(仲田森和教育長)の屋根の一部が業務時間中に剥落していたことが、11日までに分かった。長年の雨漏りが原因とみられ、竹富町は職員らの安全確保と教育行政機能の維持のため、来週中にも竹教委を移転したい考えだ。東日本大震災以降、自治体レベルでの防災危機管理の意識が問われるなか、庁舎の老朽化に伴って町が現在、進めている役場移転計画への影響も懸念される。
「ドン、ドンと大きな音がする」。今月4日、頭上から聞こえてきた物音を不審に思った職員が天井部を開けたところ、屋根のコンクリートの一部が剥落しているのを発見した。
落下したコンクリート塊は複数カ所に及んだが、屋根と天井の距離が約50㌢ほどしかなく、木材の梁(はり)がクッションとなり、天井部を突き抜けなかったとみられる。職員にけがはなかった。
町によると、雨漏りで屋根内部の鉄骨が膨張し、コンクリートに亀裂が生じた。その亀裂が徐々に広がったため、複数の剥離を引き起こしたという。
町は7日に実施した専門業者を交えた屋根の強度検査の結果を受け、「委員会の屋根部分の危険性が高いと判断。一日でも早く移転するべきだ」と、石垣支所建設を待たずして教育委員会の移転を決めた。
庁舎内の教委には10日現在、総務課・教育課・社会文化課の3課に28人が在籍。全機能移転には広さ約200~250平方㍍が必要となる。
総務課の担当者は「スペースが確保でき次第、来週中にでも早急に移転したい。遅くても今月中には」と話し、移転後、新庁舎の石垣支所完成までの安全確保として補修工事を行うとした。
西大舛髙旬町長は本紙の取材に対し、「このままでは落ち着いて業務に当たれない。職員の安全・安心が第一で、まずは一日でも早く委員会を移転する。そして石垣支所も急いで造らなければならない」と述べた。
町役場は1969年に建てられた1階建てボウリング場施設を77年に2階建てに改築し、供用開始。これまで耐震性能・耐力度の不足と基準不適格、危険家屋化などの問題が指摘されてきた。庁舎2階には竹教委のほか、議場や議会事務局、産業振興課、選挙管理委員会などが席を置く。