石垣市内に出回っている食品・飲料や、砂土から放射性物質(セシウム)を測定し、インターネットを通じて結果を公表しているNPO法人石垣市民ラボ(江川三津恵理事長)が11日午後、大浜信泉記念館で2012年6月から5年間実施した測定結果を公表した。その結果、16年9月末からの1年間で県外産の食品・飲料219件のうち19件(9%)から、1㌔あたり数ベクレルと値の少ないセシウムが検出され、過去4年間に比べ検出の割合が減っている事が報告された。
5年間の食品・飲料の測定件数は、流通品1653件、非流通品(贈り物や取り寄せなど)586件。流通品から215件(13%)、非流通品から83件(14%)で、いずれも厚生労働省が基準値以内と定めるセシウムが検出されている。ここ1年の測定でセシウムは、放射性物質が移行・吸収されやすい作物などに限られて検出されることも分かった。
沖縄県産品測定キャンペーンで、原材料や産地、製造・販売が県産の10品からセシウムは検出されなかった。
また、島内の海岸で砂土の放射能濃度測定では、低い天然放射性物質が測定されたが、大半は不検出となった。
報告に先立ち、江川理事長は「地域住民の食生活安全のため測定を続け、ホームページだけでなく、1年に1度は生で報告したい」とあいさつした。
測定やデータ集計を担当する笹尾哲夫所長は「流通ルートに乗って、微量の放射性物質が石垣島にも入り込んでくる現状を知ってほしい」と話した。