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争点はやはり「安倍政治」だ

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 ■選挙後は一気に9条改正へ

 安倍首相の突然の解散による第48回衆院選が10日公示され、22日投開票の12日間の戦いがスタートした。

 1票の格差是正のために今回は議席が前回より10減り、小選挙区と比例合わせて465議席に1100人余が立候補した今回の総選挙。解散後突然政界地図が激変。民進党が小池氏が立ち上げた「希望の党」と枝野氏が結党した「立憲民主党」にそれぞれ分裂し、自民・公明の与党、希望の党と日本維新の会、立憲民主党と共産、社民のリベラルの3極が争う構図となった。

 問われるのはやはり強引な政権運営をする「安倍一強政治」だが、一方で自民や寛容な保守を掲げる希望、維新などの伸長でこの国は総保守化と右傾化が進むのか、そして選挙後の改憲を許すのかが問われる選挙でもある。

 立候補者は自民、希望、日本維新の会など改憲勢力が多数であり、選挙に勝利すると安倍政権の手法では一気に9条改正まで進む可能性は高い。日本人のバランス感覚が立憲民主や共産党などのリベラル勢力にどう働くか。

 ■問われる「安倍一強政治」

 2012年に復権した安倍政権の約5年を振り返ると、国民世論や民意を無視した強引な手法に批判は強い。

 選挙中はアベノミクスなどの経済政策を前面に掲げ、選挙が終わると国会では数の力で特定秘密保護法、共謀罪法など国民の反対の強い法案を次々強行。最悪は憲法をねじ曲げて安全保障関連法を強行採決し、「平和国家」から「戦争国家」に大きく踏み出したことだ。さらに原発も福島事故を忘れたかのように次々再稼働している。

 今回の選挙も森友、加計学園疑惑隠しの大義なし選挙と批判は強い。しかも野党が求めてきた臨時国会を加計問題追及を恐れてか3カ月も拒み続け、揚げ句がその臨時国会冒頭の解散だ。

 一方で中国に加えて北朝鮮の脅威も軍備増強や今回の選挙に利用。さらにアベノミクスも実態は非正規が主だが雇用好転を強調、消費増税も教育無償化に使途変更するなど強引な上に世論操作も巧みだ。それが今の長期政権になっているのだろうが、今回はそこを有権者に見透かされて「安倍一強」に終わりが来るかどうかの選挙になる。

 ■またも「辺野古ノー」示すか

 沖縄では民意を依然差別的に無視して辺野古新基地建設を強行する安倍政治と、比例で復活当選した自民現職4氏の公約撤回を許すかどうかが今回も再び問われる。前回は4選挙区すべてで公約撤回の4氏に県民は厳しい審判を下し、「辺野古ノー」が勝利した。

 今回も同じ顔ぶれの対決となるが、またも「辺野古ノー」を突きつければ強権の安倍政権も名護市長選から続く5度目の民意をさすがに無視できず、工事を止めざるを得なくなるだろう。

 一方八重山は辺野古に加えて離島振興策と自衛隊配備の是非が争点だ。仲里利信氏は辺野古新基地も自衛隊も反対、自民の西銘恒三郎氏と幸福実現党の富川泰全氏は賛成。前回は県全体では仲里氏が勝ったが、八重山に限れば西銘氏が制した。来年3月の市長選に向け、両陣営とも総力戦となる。

 今選挙で与野党逆転がどうなるかだが、政治は与野党の勢力が伯仲し互いに緊張感があることが望ましい。


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