石垣島最北端の平野集落が1957年5月の入植から60周年を迎え、平野公民館(平良辰男館長)は8日午後、同公民館で記念式典を開き、開拓者の労をねぎらい、今後の発展を誓った。同集落は、沖縄本島や宮古などからの計画移民により里芋や畜産などで発展してきたが、近年は離農や人口流出に歯止めが掛からず、石垣市内で最も高齢化率が高い地域となっている。
平良館長はあいさつで「最も高齢化率の高い集落となっているが、本土からの移住が増えたおかげで60周年を迎えられた。今後は移住者と協力しながら頑張っていきたい」と決意。入植1世や歴代館長に感謝状を贈呈した。
入植1世を代表して、開拓当初に班長を務めた宮古島出身の新里昌功さん(85)は「光陰矢の如し。引き合えばよいという思いで農業をやってきたが赤字ばかりで経済面で苦しい時期もあった」と開拓の苦難を振り返り、「今は子や孫に元気をもらっている。どうか元気で心安らかに過ごしてほしい」と呼び掛けた。
中山義隆市長は「石垣島土地改良事業によるかんがい施設の整備をはじめ、有害鳥獣対策、担い手の育成、北部農村集落活性化、北部地区の移住・定住の施策などに取り組んでいく。観光客にとって恋する灯台や、雄大な平久保牧場は景勝地。今後も美しい石垣島の景観の保護に力添えを」と述べた。
式典後は祝賀会に移り、関係者が余興の数々を楽しんだ。
感謝状受賞者は次の皆さん。
▽入植1世=根間恵昌、根間千代、新里昌功、下地誠徳、池城トヨ、山内ヤス、平良トミ子、前川実、前川ヒデ
▽歴代公民館長=・新田(あらた)宗徳(31代)、下里貞勝(32代)、平良辰男(33・35代)、山内和男(34代)