9月29日夕に米軍普天間基地所属のオスプレイ2機が南ぬ島石垣空港に緊急着陸し、オイル漏れを起こした1機が6日間駐機し続けた問題で、中山義隆石垣市長は5日午前、説明と謝罪のため市役所を訪れた防衛省沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長に「民間航空の運航に支障をきたしたこと、情報開示の遅れにより市民の不安を招いたことに対して強く抗議する」と伝えた。徹底した原因の究明と早急な公表、安全運航の管理の徹底、具体的な再発防止策の策定・公表を米軍側に求めるよう要請、「しっかりと米軍に伝えてもらい、二度とこのようなことがないようにしてもらいたい」と訴えた。
中山市長は4日まで「現段階では米軍に直接抗議することは考えていない」と慎重な姿勢を示していたが、一転して「抗議」の意思を示したことについて「4日まではトラブル機が駐機中で、4日夜に離陸し、ある程度詳細が確認された。現実的に民間航空に支障が出たことと市民生活に不安が広がったことは事実なので、そこについて抗議をさせてもらった」と記者団に語った。
今回の緊急着陸については要請で「一歩間違えば近隣の住宅地に被害を及ぼしかねない重大な事案。市民にも大きな衝撃と不安が広がっている。オスプレイは普天間基地配備後5年が経過するが、最近では大分空港への緊急着陸の事案など安全性への懸念はいまだ完全に払拭(ふっしょく)されたとはいえない」と指摘。
「欠陥機」などと批判されているオスプレイについて記者団に「欠陥機とまでは思っていない。実際、本島では日常的に飛行している。ただ、最近、トラブルが頻発しているので安全性への懸念は完全に払拭されたとは思っていない」と述べた。安全性が確認されるまで飛行自粛を求めるかどうかについては「市長の立場として話すことではない」とした。
一方、防衛局の情報開示について「いつごろ離陸するか問い合わせても明確な回答はなかった。不満が残る。地元としては市民に説明しなければならない立場。情報をしっかり伝えてもらい、(市民に)提供できるよう対応させてもらいたかった」と不満をあらわにした。
中嶋局長は要請に対し「要請は当然。米軍に強く申し入れたい」と応じた。