9月29日夕に南ぬ島石垣空港に緊急着陸し、駐機し続けていた米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸機MV22オスプレイ「03」は4日午後8時57分ごろ、修理を終え、同9時の空港運用時間終了間際に離陸した。普天間飛行場に向かい、同9時59分に帰還した。防衛省などよると、右側エンジンの潤滑システムに問題があった。修理と入念なチェックの結果、正常に作動し飛行の安全が確保されると判断したという。長引く駐機に市民からは「原因が分からないのが怖い」「いつまで続くのか」と反発の声が高まっていた。(8面に関連)
「02」「03」の2機は9月29日夕、「03」の警告灯が点灯したとして石垣空港に緊急着陸。現場では「03」機の右側エンジンからオイルが漏れていたことが確認された。
「03」の修理に必要な部品と、「02」に補給するトランスミッションオイルを運ぶため、エンジントラブルで大分空港に緊急着陸し、その後修理を終えた「11」が2日夕方に飛来。「02」は、オイルの注入を受け、2日午後6時半ごろ離陸した。
「03」は3日から本格的な整備が開始され、4日は午前7時45分ごろから米兵8人が作業を開始。午後3時ごろ、最後の部品とみられるものを取り付け、同6時45分ごろからパイロットが乗り込み、エンジンを始動させるなど最終チェックを繰り返し行った後、離陸した。
中山義隆市長らには同日午後、「午後3時以降に最終のシステムチェックが行われる」との情報が沖縄防衛局から連絡があった。
中山市長は離陸前、「防衛局を通して米軍に対しトラブルの原因究明と再発防止策の徹底を強く申し入れる」との考えを示す一方、米軍への抗議については「現段階では直接抗議することは考えていない。原因究明の内容を確認した上で抗議すべきかどうか対応を考えたい」と述べた。
オスプレイの緊急着陸をめぐり、石垣空港は緊急着陸時に約40分間滑走路が閉鎖され、民間機の遅延を余儀なくされた。これ以外は民間機への影響はなかった。
人員と部品の輸送のため、空中給油機KC130と別のオスプレイ「11」も飛来、石垣空港は一時、最大で軍用機が3機並ぶ物々しい雰囲気に包まれた。