石垣市の「観光」と「環境」の関係性について理解を深めてもらおうと石垣市は4日夕、市民会館中ホールで市文化観光シンポジウム「観光×環境で創る未来」を開催した。市内の高校生3人を含む有識者らが島独自の自然環境を損なうことのない観光の方向性を探り、環境保全の大切さを学び・発信すること、市民らが美化活動に能動的に参加できる仕組みづくりの必要性を確認した。
パネルディスカッションには、県八重山地区校長会前会長の渡久山修氏をコーディネーターに、市観光人材育成事業高校生プロジェクト「Chura★I」のメンバーなど7人が登壇。
8月4日から6日まで渋谷ロフトでの石垣島PR催事に参加した八重高2年の島尻紗和さんは「東京でサンゴ礁を伝えると『行きたい』『見たことない』の声があった。県外でサンゴの白化現象が知られていないなど今回の経験を自分の中だけにとどめず、発信することが大事だと感じている」と振り返った。
「サンゴに優しい日焼け止め」発案者で、ジーエルイー合同会社の呉屋由希乃代表は「ごみ拾いツアーなどはどうか。手袋とごみ袋を1セット500円で販売し、ポイント制で得点に無料ビールなど」と、主体的な参加を促すイベントを提案。八重高3年の砂川友花さん、八商工2年の保里涼さんはそれぞれ、「拾った数を競う大会などにすると面白くなりそう」「地域もきれいになり、気持ちもよくなる循環がある」と賛同した。
市観光交流協会の高倉大事務局長は「一人一人が島のコンシェルジュの意識を持つこと。日本人が持つ美意識をさらに意識付けすることで、日ごろのごみ拾いにつながる」と訴えた。
討論に先立ち、WWFサンゴ礁研究センター長の鈴木倫太郎氏による講演などもあった。
中山義隆市長は冒頭、「好調な推移をみせる本市の観光業で、誘客の最大の魅力である自然環境にさまざまな変化が生じている。観光と環境は切り離せないものであり、これからの未来を考える時間にしたい」とあいさつした。