2015年9月の「安保関連法」強行採決の際、連日国会前で反対デモした市民団体らが、翌年の参院選で同法案に賛成した自民議員らの「落選運動」を呼び掛けた▼沖縄から島尻安伊子氏も“戦犯リスト”に入った同運動は全国的に盛り上がりを欠き、不発に終わったが、去る7月の都議選は「安倍ヤメロ」コールが大きなうねりになって自民党惨敗の一因になったという▼今回の衆院選も、野党の受け皿が整わないすきを突いた安倍首相のモリカケ疑惑隠し・政権延命の「今なら勝てる選挙」に、「いやらしい」と怒れる市民団体らから計画もあるようだが、広がるかどうかだ▼落選運動は議員にふさわしくないと思う候補者を、組織や個人が口コミやインターネットなどで「落選させろ」と呼び掛ける運動。ネット社会の怖さもあるが、韓国や米国などで広がり、リストの86人中59人の議員を落選させた韓国総選挙は有名▼都議選では自民議員を落としたいため、共産党嫌いの保守層が共産候補に投票した選挙区もあったという。今回の衆院選は3極の対決だが、安倍一強と踏み絵の小池新党への反発から、新党立憲民主や共産などリベラルへのうねりは十分あり得る▼石垣市議選も自衛隊反対派が「落選運動」するなら、ターゲットの何人かは容易に想像がつく。(上地義男)
↧