石垣市が、底地海水浴場の指定管理者の指定を取り消していたことが20日までに分かった。管理業務の内容をめぐり行き違いがあったことから管理者側が辞退届を提出、市がこれを承認した。2005年度に導入した指定管理者制度で、管理期間の途中で指定を取り消すのは今回が初めて。今後、指定管理のあり方をめぐる議論が求められそうだ。市は緊急措置として、一部管理業務を民間業者に委託して対応している。
施設管理課によると、底地海水浴場については2015年4月1日に管理団体と協定を締結。指定管理期間は18年3月31日まで。
年間の管理委託料は403万円で、毎年、契約を締結することになっているが、管理内容をめぐって双方の認識に違いがあったため合意に至らず、管理団体が7月19日付で「市が求める管理は困難」などとして辞退届を提出。市指定管理者選定委員会(委員長・漢那政弘副市長、12人)が同月25日に承認した。
市はこれを受け、海水浴場の監視、シャワー・トイレの清掃、消耗品の補給などを民間業者に490万円で委託。指定管理の委託料を上回っていることについて施設管理課は「(収益を得る)自主事業がないため」と説明している。
市は今後、来年4月から新たな指定管理者による管理運営に向け、選定手続きを進め、12月議会に議案を上程する予定だ。
今回、契約の合意に至らなかったことを受け、施設管理課は今後行う募集で、施設の実態に即した管理業務を委託するため、範囲や人員など、指定管理の内容をより明確にする考え。
漢那副市長は「企画立案される管理内容と見通しをしっかり調査し、確認しながら選定していきたい。さらに1年ごとの内部・外部評価を受け、改善につなげていきたい」と話している。
一方、辞退届を出した管理団体は「最初に結ぶ基本契約があいまいで、後から具体的なことを求められても予算上対応できないこともある。今回の件に限らず、施設の管理のあり方をどうするべきか議論が必要ではないか」と提起している。